超常現象

子供の頃は、幽霊とか、心霊現象とか、輪廻転生、宇宙人といった超常現象の話が大好きだった。最近では、宇宙人は別として、幽霊が本当にいるなどと思っている人はあまりいないのではないか。

そもそも幽霊には物理法則が当てはまらないようなのだ。重力や慣性の法則などとは全く無関係。質量もないのだから、アインシュタインE=mc2なんて数式も当てはまらないのだろう。まあ幽霊ならば、霊力で無からエネルギーを創り出せるかもしれない。

気になるのは、物理法則が当てはまらない幽霊が、なぜ、高速で自転し、高速で太陽の周りを公転する地球上の特定の地点にいられるのかということである。高性能のGPS的霊力でも持っているのか。そうでもなければ、下手をすると幽霊は、地球の表面ではなく、深海か、地殻の奥深くか、はたまたマグマの中か、果ては地球の動きに追い付けずに宇宙空間に放り出されてしまうだろう。宇宙空間を彷徨う幽霊なんて、とてもロマンチックだが、祟る相手には近づけない。これも霊力でなんとかなるのかもしれないが。

輪廻転生の話も、仮に魂が、全ての生き物の間で輪廻転生するならば、私たちのうちの誰かは、どこかの星の宇宙人の生まれ変わりということになる。宇宙人の生まれ変わりなんてSF的でワクワクする。そうではなくて、魂は、人の間で輪廻転生するということならば、人口が爆発的に増えた現在の76億人の中には、誰の生まれ変わりでもない、魂のない人がたくさんいることになる。何にせよ、魂の在庫には限りがあるからである。最近、世の中がおかしくなってきた理由は、もしかしたら、魂のない人が増えたからかもしれない。こちらは霊力では、どうしようもないということか。