人工知能(AI)が法的に認知されるとき

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現在の法制度でも、人間ではないが、法律上人格を認められ、契約などの法律行為を有効に行い、権利、義務の主体となることができる資格(権利能力)を認められるものとして「法人」がある。銀行や商社、メーカーやメディアなどの様々な会社や、大学、協同組合、商工組合、公の事業を行う地方公共団体NPO(非営利組織)、NGO(非政府組織)なども法人だ。現代社会では、こうした法人の存在と、その法人による活動無しには、日々の生活を送ることができない。

社会が発展し複雑化していく中、個人による事業活動や個人が所有する財産に基づく事業活動では、スケールが小さすぎて、何事もなし得なくなった。このため、法律が、一定の事業目的を持つ個人の集団(社団)や一定の目的のために拠出された集合財産(財団)を、あたかも一人の人間の様に、法的に独立した権利主体、行為主体、責任主体として取り扱うことにより、一個人では到底なし得なかったようなスケールの大きい事業活動を行えるようにしたのが法人制度だ。

このように、すでに法令上、人間以外にも人間に準じた法的取り扱いをされる様々な法人があるのだから、近い将来、AIが進歩して人間を凌駕する知能を有するようになれば、当然、AIにも人間に準じた法的な取り扱いを認めざるを得なくなるだろう。もしかすると、AIのための法制度の構築を担うのは、AIかもしれない。

いつの日か「AIの、AIによる、AIのための文明」が、「人類文明」に取って代わるときがくるだろう。