強い人たちの世界 弱い人たちの世界

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この世界は、ひとつだと思っていた。しかし、違った。この世界には、強い人たちの世界と、弱い人たちの世界のふたつがある。

強い人たちの多くは、生まれながらに、富と幸運を持つ。弱い人たちのほとんどは、生まれながらに、貧しさと不運を持つ。そんな人たちを、いまだに同じ土俵で戦わせている。人生の勝敗など、初めから決まっているのに。

ただ、強い人たちも、いつまでも強いわけではない。一歩間違えば「突然」、あるいは、歳を取れば「必ず」弱い人になる。弱い人たちの世界への仲間入りだ。

弱い人たちも、いつまでも弱いわけではない。努力と忍耐や才能で、あるいは、ある日「突然」強い人になる。強い人たちの世界への仲間入りだ。

しかし、こんなふたつの世界を行き来する人生なんて、不安定で、ストレスが大き過ぎる。中には「それこそが人生の醍醐味だ」と喝破する人もいるだろう。しかし、生まれてから死ぬまで、強い人であり続けることなどできない。すくなくとも、死ぬときには。

結局、私たちは、強いときには「弱い人たちの世界」のことを考えないようにして生きているだけなのだ。しかし、強くても「突然」、あるいは、いつか必ず「弱い人たちの世界」の住人になる。それが、生きとし生けるものの運命だ。

いつまでも、見て見ぬ振りをしていないで、現実を、ありのままに認めて、世界をひとつにするための手立てをとろう。とくに、今現在の「強い人たち」に、それを望む。