ロシアのウクライナ侵攻に対して、西側諸国が軍事介入しないのは核戦争を回避するためだと信じてきた。
しかし、最近になって、本当はそれだけが理由ではなかったのではないかと考えるようになった。
そう考えたら不安になった。
ロシアがウクライナに侵攻した直後、直ちにアメリカ軍と西側諸国連合軍がウクライナに進軍していれば、ロシア軍は戦わずに撤退したのではないか。
さらに直後とは言わなくても、ウクライナの初戦での勝利を後押しする形で進軍していれば、やはりロシア軍は撤退したのではないか。
「愚かな事を言うな」とご批判を受けることを覚悟で、さらに申し上げたい。
今回のロシアのウクライナ侵攻への対応の仕方こそが、西側諸国にとって、ロシアや中国やインドを代表とする「アンチ西側陣営」と対等に渡り合えることを世界に示す最後のチャンスだったのではないか。
それにもかかわらず、その機会を逸したのだ。
なぜ、こんなことを言うのか。
思い出して欲しい、30年前のソ連崩壊を。
その後の世界を、完全なまでに牛耳ってきたのがアメリカ以下の西側諸国。
「自由と民主主義」と言う「踏み絵」を使って世界を分断することによって、西側諸国は敵対する者をことごとく叩き潰してきた。
ところが、ロシアのウクライナ侵攻に対しては全てが後手に回っている。
いや、そうではない。
最早、西側諸国には、先手を打つ力が無くなっているのかもしれない。
西側諸国を凌駕する人口や資源を持つ中国、インド、ブラジル、インドネシア、ロシアなどが台頭する一方で、西側諸国の経済力は劣化し続けている。
そのため、世界のパワーバランスは「アンチ西側陣営」へと傾き始めている。
世界は、西側諸国の衰退によるパワーバランスの変化を既に織り込み済みなのだろう。
だからこそ、西側諸国による経済制裁を黙殺しているのだ。
ところが、西側諸国の新参者の日本。
Gなんとかに加え、NATOのメンバーにも入れてもらえるのではないかと有頂天。
西側諸国に黄昏が訪れているなんて全く気付いていないようだ。
世界がいつまでもアメリカや西側諸国の号令に従ってくれると思っていることこそが「日本人の平和ボケ」の最たるものなのに。
アメリカのポチや西側諸国のペットに甘んじているから「平和ボケ」になるのだ。
「ソ連崩壊」で東西のパワーバランスが劇的に変わった。
そして今度は「西側諸国の崩壊」によるパワーバランスの流動化。
来たる世界のパワーバランスの流動化の中で、生き残りをかけて「合従連衡」を繰り返さなければならない「殺伐とした時代」が到来するのだ。
それを認識しなければ、日本に明日は無いだろう。