日本の未来は危機的状況

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日本では、少子高齢化により労働人口が減少し経済成長が停滞している。それを打開するため競争力強化として、無理をして「ゼロ金利、円安、株高」という時代錯誤の重厚長大・輸出産業偏重とも言える経済環境を創り出そうとしている。しかも、国際競争力を回復するために規制緩和や企業ガバナンス改革、教育改革を行なっているものの、功を奏さず。結局、労働者の賃金を発展途上国レベルに押し下げて生産コストを下げようとしているとしか思えない「国民貧困化政策」を続けている。そのうえ、日本経済をフローで改善できないことへの弥縫策なのか、マイナス金利にまで言及して、国民が蓄えてきたストックを吐き出させようとまでしている。そして、止めは増税である。

こうした様々な一億総貧困化政策のおかげで、大企業経営者や資金力のある投資家、新たなビジネスモデルで成功を収めた勝ち組だけは益々豊かになっている。その一方で、普通の日本人は貧しくなっていくばかり。当然、国民の間に大きな格差が生まれている。

経済最優先で規制緩和や自由競争を推し進めてきた結果、今では「働きたくても競争から締め出されて働けず、結婚して家庭を築くこともできない若者」という経済的弱者を増大させ、少子化が進むという負のスパイラルに陥っている。また一方では、「人生100年時代」と銘打って、高齢者に冒険心を吹き込んで「働きたいから働くのだ」と思い込ませようとしている。働きたい高齢者が低賃金で働くことは悪いことではないが、若者の賃金の上昇が押さえ込まれてしまえば、ここでも負のスパイラルだ。

このまま格差が拡大して、生存限界で生きる国民が増えていけば、福祉予算を増大させなければならなくなる。財政赤字が拡大し日本の未来は危機的状況になる。

いまさら人口を増やすのは難しいが、少なくとも「金利、為替、株価」については、資本主義の原則に戻って、政策的な市場介入を控えた方がいいのではないだろうか。