アメリカの大学に関する都市伝説的な誤解【2】
アメリカの大学生は、日本の大学生とは比べものにならないほど、よく勉強すると言われている。一流大学に限って言えば、これは事実だ。そこで、アメリカの一流大学の学生が、なぜよく勉強するのかという理由について説明しよう。
米国の場合、4年制の学士課程(学部:College)は、日本の高校に近いと考えるのがわかりやすい。米国でエリートと呼ばれる経営者、弁護士、医師、一流技術者になるためには、4年制の学士課程を卒業した後、文系大学院であるビジネススクールやロースクール、医学系大学院であるメディカルスクール、理系大学院に進学して、学位(MBA、JD、LLM、MA、MD、MS、PhD)を取得しなければならない。
しかも、トップクラスの大学院に進学するには、GMAT やLSAT、GREなどの共通学力試験での高得点と学部での高成績(ストレートAの4.0に近いGPA)が不可欠。そのため、4年間の学士課程では、日本の進学高校のように、勉強に明け暮れなければならない。
開成や筑波大附属駒場、麻布、灘などにあたるのが、ハーバード、イェール、プリンストン、コロンビア、ペンシルバニア、コーネル、ダートマス、ブラウンの8校のアイビーリーグやスタンフォード、MITなど。そして地方の名門進学校にあたるのが、バークレイ、ミシガン、バージニアなどの一流州立大学や、アマースト、ハーバーフォードなどの一流のリベラルアーツカレッジだ。
ハーバードの学生でも、4年間の学部時代の成績が悪ければ、名もない大学院にしか合格できないというのが現実。いずれにしても、アメリカでは学部卒の学士(Bachelor)の学位では、エリートへの仲間入りはできないということだ。