「半沢直樹」にとって頭取や社長は敵か味方か

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半沢直樹の活躍を毎週ワクワクしながら見ている。しかし、ドラマ「半沢直樹」に、多少の違和感を覚える。そう、銀行の頭取や出向先の証券会社の社長が、半沢直樹にとって、「敵か味方か」、あまり明確に描かれていないからだ。

半沢直樹が、会社人生をかけて社内の悪人と戦うのはいいが。そもそも、そんな悪人を野放しにするばかりか、出世コースに乗せている会社のガバナンスやコンプライアンスにこそ問題があるだろう。そんな諸々の執行責任者である頭取や社長が、あまりに無責任過ぎるのだ。社内の違法行為や不正行為を探知もできずに放置してきたばかりか、その事実を知っても、何もしない。挙げ句の果てに、肝心の取締役会では、「取締役同士の自己保身のための忖度合戦」を黙って聞き置くか、せいぜい、何を言っているか要領を得ない「お言葉」を発してジエンド。「頭取、あなたは神か」とでもいいたくなる描き方。なぜ、経営陣でもない一介のサラリーマンが、会社や顧客のために必死に頑張っているのに、頭取や子会社の社長は何もしないのか、全く理解不能だ。

日本のビジネス・ドラマに登場するトップは、なぜか、いつも訳の分からないご託宣ばかり。言葉や行動で、部下を動かすトップは、いないのか。「がっかりするかもしれないが」、いないのだ。

会社のトップというのは、高尚な経営問題より、社内外での自分の評判や、くだらない社内ゴシップや、ゴルフ、麻雀の類いが大好き。しかも、大会社のトップには、高齢者が多く、体力的にも、仕事など到底無理な人たちばかり。ドラマ「半沢直樹」の頭取や社長も、昔は凄かったのかもしれないが、今は黄昏れて、「敵か味方か」なんて旗幟鮮明な立ち位置などとれなくなっているのだろう。

半沢直樹」を見ている若い人たちに言いたい。会社で出世するのは、半沢直樹的な人間ではないということだ。残念な話だが本当だ。半沢直樹的人間は、さっさと会社を辞めて、独立した方が幸せかもしれない。