低成長ゼロ金利の下での投資

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私が子供のころは、貰ったお小遣いを貯金すると、おそらく現在ならば数百万円を定期預金として預けたくらいの金利がついた。古き良き時代だった。

ゼロ金利の現在は、貯金をして少しずつ増えていく金利を楽しむという庶民の慎ましい夢も今は昔。収入が減り、その一方で、税金や社会保険料の負担が増える中、自助努力の名の下、自己責任で投資をしろと言われても。その道のプロである金融機関ですら利益を出せないゼロ金利の世界。金融弱者の庶民に、なすすべはない。

ゼロ金利の下で一般庶民は、資産を形成できなくなってしまった。それなのに政府は、一般庶民を相手に投資を推奨している。信じられない話だ。経済が成長せずデフレの上に、ゼロ金利の日本で、投資で儲けることができるのはプロの金融強者だけだろう。

株に投資をして株価が下がったら塩漬けにするなどというのは昔話。日経平均株価が上がらないばかりか、暴落してしまったら、遅かれ早かれ損切りせざるを得なくなる。一般庶民には、投資家がやるような空売りなどという芸当はできない。

おまけに、不動産の価格も右肩下がり。昔ならば、ローンで郊外に買った家を、何年か経って売却すれば、それだけでローンを減らした上に、前より大きな家を手に入れることができた。それも今は昔。

経済を成長させるためには資金を潤沢に行き渡らせる必要があるが、政府は、少なくとも、一般庶民から安全な資産形成の機会を奪うゼロ金利政策だけは緩めて欲しい。市場に潤沢な資金を投入したければ、一般庶民や労働者ではなく、プロの投資家を相手にできる資本市場にいくらでも資金を投入すればよい。すくなくとも日本国が破綻しない限りは、対価性のある取引を利用した資金投入なのだからリスクはないはずだ。